今年も大流行の兆しが!ノロウイルスの特徴と感染対策

著者:長嶋 真一
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今年も大流行の兆しが!ノロウイルスの特徴と感染対策

 ノロウイルスは冬によく発生する感染症ですが、じつは年中、毎月どこかで発症して治療を受けている人たちがいるのです。ノロウイルスとはどんなウイルスで、感染を予防するにはどうしたらいいのか、感染してしまったらどうすればいいのか、などをまとめました。

1.ノロウイルスとは

 ノロウイルスはウイルス性胃腸炎の代表的なウイルスで、「カリシウイルス科ノロウイルス属」に分類されます。

 特徴としては、サイズ・直径は30nmほどでエンペローブ(脂質二重膜)を持ちません。このエンペローブを持たないということでエタノールでの殺菌を困難にしています。感染力も非常に強く、体調によっては10個ほどのノロウイルスの侵入によって発症してしまうこともあります。

 乾燥に非常に強く、嘔吐などで床に付着しても、乾燥して舞い上がり、吸い込むことでも感染します。感染経路としては経口感染、飛沫感染、接触感染と多岐にわたります。またインフルエンザなどとは違い、一度感染しても免疫がつかないため、ノロウイルスが侵入してくれば何度でも発症します。

 ノロウイルス属というとおり、種類も細かく分かれています。ノロウイルス検出検査キットがありますが、ノロウイルスの型が違うだけで反応が出ないこともあるので、検査で陰性といわれても、型違いのノロウイルスに感染している可能性があります。

2.ノロウイルスによる感染性胃腸炎

  • 潜伏期間はウイルスが侵入して24時間~48時間といわれています。
  • 症状は突然の吐き気・嘔吐、下痢、腹痛、発熱で、予兆などなく突然発症します。なかには感染しても発症しない・症状がでないこともあります。
  • 発症して嘔吐・下痢などあればその時から感染力があります。症状が出てから症状が回復して三日間は周囲に感染させてしまう可能性があります。

3.ノロウイルスの治療

 実はノロウイルスに関しての治療はとくにないのです。食事がとれない人には点滴をしたりなどの対症療法がおこなわれますが、とくに特効薬もないため自宅で安静にすることが基本です。吐物や便などにノロウイルスが含まれているかの検査も行えますが、検査が保険適応外で全額負担です。

 高齢者の場合は身体の細胞内の水分が少ないので下痢や嘔吐を繰り返しているとすぐに脱水になってしまいますので、水分をしっかり補給し、まずはかかりつけの病院に電話をしてみましょう。

4.ノロウイルスにかかってしまったら

 ノロウイルスに感染してしまったら極力外出は控えましょう。嘔吐しているときに外出することはないでしょうが、症状が落ち着いても三日間は排菌している可能性があるので周り感染させないためにも自宅で安静にしておきましょう。

5.吐物・便の処理は初期対応がすべて!

 吐物や便には大量のノロウイルスが混じっていますので、適切な処理をしなければノロウイルスの感染を拡大させてしまいます。吐物や便が乾燥するとウイルスが飛散してしまうので、初期対応が重要です!しっかり処理をすることで自分や家族へのノロウイルスの感染を予防しましょう。

○準備しておきたい物品

使い捨てのマスク・手袋3セット(6枚)・ビニールエプロン、ペーパータオル(新聞紙・トイレットペーパー等)、次亜塩素酸ナトリウ液スプレー、ゴミ袋二枚

○手順

  1. まずは準備をします。二枚のビニール袋それぞれの口の隅を広めに外側に折り返しておきます。使い捨てのマスク・手袋・ビニールエプロンを装着。激しい嘔吐であれば、吐物を中心として半径3メートルは吐物が飛散するといわれています。ペーパータオルも吐物中心から半径3メートルを覆える程度の量を準備しておきましょう。
  2. まずは目に見える吐物の上にペーパータオルを被せて、ペーパーがしっかり濡れる程度まで次亜塩素酸ナトリウムを噴霧します。飛散した吐物を踏まないように注意します。
  3. 吐物の外側のペーパータオルのほうから吐物中心へ向かって、静かに吐物を集める・拭きあげていきます。
  4. 中央に集まった吐物・ゴミをまずは一枚目のゴミ袋に入れる。折り返した部分に吐物がつかないように入れます。そして手袋もいったん外して同じ袋へ入れます。
  5. 吐物が付着していない折り返しの部分を持ち、あとから袋の空気が漏れないようにしっかりと結び、二枚目のゴミ袋へ入れます。
  6. 新しい手袋を装着。再び吐物のあった中心から半径3メートルを、次亜塩素酸スプレーを噴霧しながらペーパータオルで外側から中心に向かって拭きあげていきます。拭きあげたペーパータオルを二枚目のゴミ袋へ捨てます。
  7. マスクやエプロンにもノロウイルスが付着していると考えてください。まずはエプロンを外します。簡単に引きちぎれますので、エプロン外側が体や周囲に触れないように、エプロン下の裾のほうから小さく丸めながら外します。それを手に持ち、手袋に包み込むようにして外します。二枚目のゴミ袋へ捨てます。最後にマスクを耳の後ろ部分のゴムをもってゆっくりと外して二枚目のゴミ袋へ捨てます。
  8. 一旦、石鹸で手を洗い、すすぎはしっかり流水で行います。
  9. もう一度手袋を装着してペーパータオルで床を水拭きしてゴミは二枚目のゴミ袋へ捨てます。手袋も捨てます。折り返し部分を持ち、あとで中の空気が漏れ出ないようにしっかりと結んで捨てます。
  10. 最後にもう一度手洗いをしっかり行って終わります。

6.吐物が付着した衣類の処理

 吐物が付着した衣類などは捨てれるものでしたら捨てるのが間違いない方法です。どうしても捨てれないものでしたら下洗いした衣類を0.02%の次亜塩素酸ナトリウム液に10分間つけ置きしてください。85℃のお湯で1分間つけ置きするという方法も有効だといわれています。

7.まとめ

 ノロウイルスは感染力が強いため、しっかりと処理をしなければ周囲へ感染させる可能性が非常に高いものです。ノロウイルスそのものが人間の命を奪うことはないと思われますが、ノロウイルスによる嘔吐や下痢で脱水症となりそれが原因で電解質異常などがおこって命の危険にさらされる可能性はあります。基本的には自宅療養ですが、水分が取れなかったりする場合は早めに病院に相談をしてください。

著者情報
長嶋 真一
長嶋 真一

看護師歴15年以上。整形外科、消化器内科・外科を中心に経験を積ませていただいています。福岡県の田舎に生まれ、田舎で育ち、そのままのんびりと田舎で生活しています。趣味はアクアリウム(水槽)で、水草水槽や熱帯魚水槽の世話を毎日楽しんでいます。

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