熱中症、人ごとではありません!

皆さんこんにちは。看護師の瀧口です。
夏の健康情報で避けて通れないのが“熱中症”です。消防庁の発表でも、7月最終週に熱中症で病院に運ばれた人は、前の週より260人余り増えて、全国で4,063人に上ったようです。
今回は、なにより予防が大切な熱中症についてお話ししましょう。「水さえ飲んでおけば安心」というわけでもないんですよ。
救急搬送の約半数が高齢者!
暑い環境で長時間過ごしたり、スポーツや労働などによって体内に熱が作られたりすると、体温が上昇し、大量に汗をかきます。このとき、水分・塩分を適切に補給しなければ、血液循環に異常が生じ、臓器に障害が及びます。また、熱そのものが臓器に障害を起こすこともあります。こうした状態を総称して熱中症といいます。
※かつては熱射病、日射病、熱疲労、熱けいれん、熱失神などの呼び名も使われていましたが、現在は熱中症に統一されています。
症状は、目まい、立ちくらみ、こむら返り、頭痛、吐き気など、多様です。
また、ご高齢の方と乳幼児は特に注意が必要です。一般に高齢者は加齢によって体内の水分量が減少しており、脱水を起こす危険性が高くなっています。加えて温度変化や喉の渇きを感じにくく、水分の摂取が不足しやすくなります。そのため、特別な運動などをしていなくても、日常生活の中で熱中症を起こしやすいといえます。
乳幼児は、体内で必要とする水分量が多く、尿を濃縮して排出する機能などが大人より弱いため、脱水を起こしやすくなっています。
若くて健康な方も油断できません。特に、二日酔いの人はアルコールの利尿作用で脱水症状を起こしやすくなっています。よく、真夏のバーベキュー会場などで、「水分はビールでとっているから大丈夫」という方がいますが、お酒はアルコールです。いくら飲んでも体内からどんどん水分は出て行ってしまいますので、くれぐれも、飲み過ぎにはご注意ください。

熱中症予防のポイント
(1)温度・湿度を確認
体感に頼らず、温度計・湿度計で確認しましょう。
エアコン、扇風機や換気扇を活用し、室温28度以下、湿度は70%以下を目安に調節しましょう。また、窓からの直射日光は避けましょう。
(2)水分補給
こまめに冷たい水分を補給します。大量の汗をかいたときは塩分も補給しましょう。市販の経口補水液を準備しておくことをお勧めします。
(3)衣服の工夫など
なるべく涼しい服装を心がけ、可能なら日中涼しい場所に行ったりするのもよいでしょう。冷やしたタオルで体を拭く、保冷剤を使った予防グッズを利用するなどさまざまな対策を取り入れましょう。
もしかして、熱中症?と思ったら
自分で水が飲めない、動けない、などの症状があるときは、「ただの夏バテ」と考えず、ただちに救急受診をしましょう!
以下は、消防庁が発表している、熱中症対策パンフレットからの抜粋です。
症状は、上から順に、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類されます。お年寄りや小さなお子さんの場合は症状の進行が速いので、Ⅱ度であってもすぐに受診したほうが安心です。
