春に多い病気とその対処法

みなさん、こんにちは。薬剤師で薬膳アドバイザーをしている片山です。みなさんの健康を「食」からサポートするため、「薬膳」について記事を書かせていただいております。
外に出れば、梅や桜、菜の花など色とりどりの春の気配が街にざわめき、私たちの気分もウキウキ・わくわくしますよね。以前この季節に特有の、ご存じ“花粉症”にフォーカスしましたが、季節が変われば変化する、私たちに起こりやすい他の症状・疾患があることをご存じでしょうか?
今回は、その他の春に多い疾患についてお話ししたいと思います。
春と関わりの深いもの
東洋医学では、陰陽五行説という理論をもとに病気の原因から、その対処法、関係する臓器や色や季節などを紐づけながら考えるのが特徴です。
春に関係する臓腑は「肝」。これは、以前にもお伝えした通りだと思います。肝は、西洋医学の「肝臓」とは少し異なる解釈をしています。
気の巡りを司る、大切な臓腑と位置付けられています。さらにステップを踏んでいきましょう。
肝は筋を支配する?
そもそも、肝さえも大元は、「木」に属した臓腑の一つ。五行説の5種類とは、木・火・土・金・水(もくかどこんすい)を指します。
この「木」の仲間が、臓腑でいえば肝であり、季節で言えば春であるのです。そして、その肝が主に関わる器官が“筋”なのです。
春は、この肝気が変調することで、筋にも影響が及ぶと、ぎっくり腰や首の寝違え、足の筋肉がつるなど症状が起きやるくなるのです。西洋医学的に考えてみても、この時期は朝晩の寒暖差も大きく、夕方や就寝時に体が冷えることで、血流の循環が悪くなり、筋肉へ十分な栄養(酸素)が行き渡らなくなるため、筋肉の硬直や足のつりに繋がる・・・と説明できるのではないでしょうか。
対処法としては、腹巻やコットン製の靴下等を履くなど就寝時に冷えない工夫をすること。あるいは、シナモン・生姜・長ネギ・葛などの発汗性のある食材を使い、身体を冷やさないようにするなどがあります。
他にも、春は血圧の変動やのぼせ、動悸などが起きやすかったり、肝臓の数値が悪化しやすい時期ともいわれています。お花見でお酒は最高ですが、ほどほどにしましょう。シジミやハマグリは、肝臓にもよい食材ですよ。
